【冒険者の酒場】拳闘士
基本4クラス 戦士・魔術師・僧侶・盗賊 が出揃ったので、ほかに希望クラスを聞いたところ、武闘家というリクエストがありました。
武器に頼らず己の体で戦う、というのは人類発祥どころか、猿の時代から行われていたことですので、クラス・スキルとしても最古のひとつと言えるでしょう。道具や武器を作り文明を築いても、素手で戦うことの価値はなくなりません。いつでも武器をもっているとは限りませんので。
RPGで武闘家というと、ドラクエ3の影響か、東洋風のイメージがあります。ごく初期のコンピュータRPGであるウィザードリィにニンジャがいるくらいなのでべつにいいのですが…、それは後の機会に譲すとして、今回は西洋の方。
西洋風のファンタジーってあまり格闘家のイメージないなあって方もいると思います。
いわゆる「剣と魔法」と呼ばれるジャンルが元にしている中世ヨーロッパは、あまり格闘技が目立たない時代でした。しかし、少し時代を遡った古代ヨーロッパでは格闘技が盛んだったのです。(*)
紀元前4000年(紀元前40世紀)ころの古代エジプトでは軍隊でボクシングが教えられていたそうです。時代は下って古代ギリシャ。紀元前3000年ころには既に競技としてボクシング・レスリングが行われていました。さらに、打撃技も関節技もOKな、現代の総合格闘技のようなパンクラチオンという競技も登場。その選手が”パンクラシスト”。古代オリンピックでも競技が行われた記録が残っています。
その後、ローマ帝国の時代になると、競技会であるオリンピックと並行して、見世物としてコロシアムでの”剣”闘士興業が行われました。メインは剣による戦いでしたが、こちらにも拳で闘う種目もありました。
4世紀ころにオリンピックが途絶え、剣闘士興業も7世紀ころに消滅。古代から中世になるにしたがって格闘技は西洋史の表舞台から消えてしまいます。
しかし考えようによっては西洋だって格闘技の存在した時代の方がずっと長いし、キリスト教規範のないファンタジー世界であれば、格闘技が隆盛を誇っていてもおかしくない…かもしれません。
*余談ですが、古代ギリシャ・ローマ風ファンタジーには「剣とサンダル」というル名もあります。古代の方に魔法が出ないわけじゃないんで、中世風「剣と魔法」古代風「剣とサンダル」って並べるの違和感あるけど。
*拳闘士(パンクラシスト)って正しくないんだけども、ボクサーとか総合格闘家だとファンタジー職業っぽくなさすぎるので…
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