【冒険者の酒場】僧侶


僧侶(プリースト)
プリースト=priestと言う言葉は、一般社会ではキリスト教における聖職者の一種です。
ゲームによってはクレリック=clericという言葉をあてているものもあります。これも同様。
日本語では、僧侶のほかにも、司祭、司教、神父、牧師などいろんな単語に訳されますが、これはキリスト教の宗派の違いなどによるものなので、架空の設定のファンタジーの場合はそこまで気にしなくていいでしょう。

ファンタジー系ゲームの世界では、プレイヤーキャラとしては、回復役、もしくは回復+サブアタッカーという役割を果たしていることが多いです。ほかに、ドラゴンクエストシリーズなどでは、町の教会にいるノンプレイヤーキャラとして、呪いを解くなどの業務に当たっていました。

彼らは僧侶というからには、宗教的な背景を持つ人たちです。たとえば、回復の力は神の奇跡。戦士にまけないほど屈強でありながらサブアタッカーなのは、戒律によって刃物のある武器を用いることが出来ずメイスやフレイルを用いるため、など。

しかしこの当たり前になっているゲーム的な僧侶のイメージ、どこから来ているのか、何がオリジナルなのか。ちょっと調べたんですがわかりません。
いわゆる剣と魔法のファンタジーの本家と目される指輪物語では、”仲間たち”に僧侶に相当するキャラはいません。コナンシリーズやナルニア国物語、オズと魔法使い、といった古典ファンタジーでも、僧侶が仲間として旅をするってあんまり無いですよね。
一方、ゲームの世界では、最初のRPGであり指輪物語の強い影響下にあるとされるダンジョン&ドラゴンズから既に”プリースト”は主要職業として存在しています。
不思議ですね…。

何かご存知の方はぜひご教示ください。

現実の世界での旅や戦いをする宗教者にはどんな人がいるでしょうか。
ヨーロッパのキリスト教徒が中東に攻め入った十字軍では、宗教的なお題目があって修道会も参加していたというか、そのための修道会が作られたりしていました。メイスやモーニングスターなんかを持ってる僧侶のイメージはこのあたりから来ているのもあるかもしれません。教義によるとかではなく、単に当時有効で流行した武器ってたってだけですが。
大航海時代になると、キリスト教宣教師が世界中に散らばり布教活動を行いました。
日本の修験者、インドの苦行僧サドゥーなど、自らの修行のために旅する者もいます。
中世日本の寺院は僧兵とよばれる武装した僧による武力を持っていました。旅をした僧兵としては弁慶がいます。主君の牛若丸も天狗装束は修験道装束から来ています。
近代現代の戦争では、多くの国で従軍牧師・従軍聖職者の人たちが兵士の心のケアを行っています。

ゲームによっては回復係に宗教色を持たせていない作品もあります。治療者という意味の”ヒーラー”や、白魔術師など。これだとゲーム上の役割は似ていても、キャラクター性やゲームの世界観は違ってきますね。

プリンセスとパンドラの箱

3件のコメント

  • はじめまして。素材の利用規約についてお伺いしたいのですが、
    こちらからでよろしいでしょうか。利用規約のコメント欄より
    質問させていただきましたがなぜかコメント送信できませんでしたので…。

    • 返信が遅れまして申し訳ありません。
      宣伝スパム防止のためコメントは承認制になっております。
      利用規約記事の方で返信させていただきます。

  • 英語版のwikiによるとOD&Dにおいてはクレリックはファイティングマンとウィザードの中間クラスとして設定されたようですね。
    それが徐々にヴァンパイアハンター系の娯楽作品や宗教画によってインスパイアされて「刃物を持てずアンデッドと戦うというD&Dの中のクレリック」のイメージが固まったようです。
    一応D&Dの前身とされるチェインメイルのルールも読んでみましたが、クレリックなどの宗教関係者を使用するルールはありませんでした。

3件のピンバック

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。

是非フォローしてください

最新の情報をお伝えします