【冒険者の酒場】狩人

狩人(ハンター) または、猟師、猟兵(レンジャー) スカウトなど
狩人・猟師は、本来的には、野生動物を狩猟して肉や毛皮を得る、害獣を駆除する、といったことを職業的に行う人たちのことです。
RPGのクラス的には、盗賊がダンジョンの中で技能を発揮する職業なのに対して、自然の中で便利な技能を持つ職業として設定されている場合もあります。すなわち、カモフラージュ、キャンプ、水・食糧・素材の調達などといった、生存・野戦技術のプロフェッショナルというわけです。

猟兵(レンジャー)は近代の軍隊用語です。猟師などから採用された少数精鋭の軽歩兵で、主力とは別に狙撃戦などを行う遊撃特殊部隊がその名前の由来です。現代でも、山岳部隊や森林警備隊がレンジャーと呼ばれています。また、日本の自衛隊ではゲリラ戦に優れていると認められた者にレンジャーの称号を与えています。
この言葉がファンタジーに取り入れられたのは古いことで、指輪物語において放浪・野戦の民を指して使われています。(日本語訳では「野伏」)

武器はなんといっても弓矢が主流。他には、威力は高いが使える回数が限られるジャベリン(投槍)、弓ほど洗練されてはいないが弾が実質無限なスリング(投石器)、弓矢が発明されなかった地域で発展したブーメランなど。

【冒険者の酒場】盗賊

盗賊(シーフ)
シーフは言葉の意味的には泥棒、盗人という意味です。
しかしRPGのクラス的な使われ方をする場合、盗みを職業としている人というよりは、戦闘はそこまで得意じゃないけど鍵開けや罠解除、隠し扉の発見などが得意な、冒険をするうえで便利な技能を持ったキャラ、として扱われることが多いです。
ダンジョンから宝物を持って来るのが泥棒に当たるならパーティ全員泥棒ですし、なんか盗賊っていうネーミングは若干座りが悪い気もしますが。

武器はナイフなどの軽いもの、防具も音のなる鎧ではなく隠密や精密作業に適した衣服程度というのが一般的なイメージ。

山賊 過去記事。ファンタジーのシーフの元になった、中世に実在した盗賊について。和洋の比較など。

盗賊 デフォルメのシーフ

【冒険者の酒場】巫女

巫女(シャーマン)
シャーマンは聖職者の一種で、辞書的には、呪術師・巫女・祈祷師など、神仏や精霊など、超自然的な存在にアクセスして一般の人との仲介をする職業の総称です。しかし、言葉の定義どおりに解釈すると、キリスト教やユダヤ教の預言者、モーセやキリストもシャーマンってことになりますが、一般的にはそうは言いません。つまり現実的な意味としては、欧米人から見た”外”の世界、非キリスト教世界、オリエント、エスニック、古代ギリシャ・ローマ、そういう世界における宗教者です。

異世界ファンタジー作品の場合、ふつう作品世界に「キリスト教」は存在しません。しかし、“僧侶(プリースト)”が属している宗教は、だいたいにおいて、教典や教義があり、制度化された宗教団体があり、社会規範になっているような、少なからず中世キリスト教をイメージしたものが多いのではないでしょうか。

“僧侶(プリースト)”の項で、指輪物語などの古典ハイファンタジー作品では”僧侶(プリースト)”はあまり登場しない、目立たない、というようなことを書きました。これはキリスト教化されていない世界観こそが欧米人にとって異世界だからで、当時はそれが斬新だったからだと思います。こういう作品に登場するシャーマンは、エキゾチックというよりは、自然や真理の代弁者、助言者というような存在です。

プリーストとシャーマンを両方登場させる場合、プリーストの属する社会がプレイヤーや町の人にとっての普通の社会で、シャーマンは一般的ではない、東方からの訪問者、文明化されていない蛮族、エルフやゴブリンなどの亜人社会といったものを表現することができます。

また、シャーマンは精霊と触れ合うということで、地水火風といった元素精霊などと結びつけて、魔法使い的な職業になっているゲームもあります。現実には四大元素の精霊というような考え方は哲学者や錬金術師といったアカデミックな方面から出てきたものではありますが、ゲーム的には親和性が高く便利ではあります。

キリスト教による禁欲的な教義が支配する前、古代ギリシャ・ローマ、メソポタミア文明の神殿には、神殿娼婦・神聖娼婦とよばれる、売春を行うシャーマンがいて、神話にも残っています。日本においても、やはり禁欲的な仏教が入ってくる以前の巫女さんは娼婦や芸妓を兼ねていました。巫女さんに処女性を求めるのようになったのは近代の話です。そもそも日本の神々は別に禁欲的な教えとかしてないでしょ?
似た例は世界中にあります。
現代人の感覚ではふしだらなように思えるかもしれませんが、当時の価値観では性行為も歌や踊りも豊穣につながる神聖なことだったし、逆に宗教は堅苦しいものではなく明るく楽しい祝祭だったのです。というわけで今回のキャラはそんなイメージで描いています。

プリンセスとパンドラの箱

【冒険者の酒場】僧侶


僧侶(プリースト)
プリースト=priestと言う言葉は、一般社会ではキリスト教における聖職者の一種です。
ゲームによってはクレリック=clericという言葉をあてているものもあります。これも同様。
日本語では、僧侶のほかにも、司祭、司教、神父、牧師などいろんな単語に訳されますが、これはキリスト教の宗派の違いなどによるものなので、架空の設定のファンタジーの場合はそこまで気にしなくていいでしょう。

ファンタジー系ゲームの世界では、プレイヤーキャラとしては、回復役、もしくは回復+サブアタッカーという役割を果たしていることが多いです。ほかに、ドラゴンクエストシリーズなどでは、町の教会にいるノンプレイヤーキャラとして、呪いを解くなどの業務に当たっていました。

彼らは僧侶というからには、宗教的な背景を持つ人たちです。たとえば、回復の力は神の奇跡。戦士にまけないほど屈強でありながらサブアタッカーなのは、戒律によって刃物のある武器を用いることが出来ずメイスやフレイルを用いるため、など。

しかしこの当たり前になっているゲーム的な僧侶のイメージ、どこから来ているのか、何がオリジナルなのか。ちょっと調べたんですがわかりません。
いわゆる剣と魔法のファンタジーの本家と目される指輪物語では、”仲間たち”に僧侶に相当するキャラはいません。コナンシリーズやナルニア国物語、オズと魔法使い、といった古典ファンタジーでも、僧侶が仲間として旅をするってあんまり無いですよね。
一方、ゲームの世界では、最初のRPGであり指輪物語の強い影響下にあるとされるダンジョン&ドラゴンズから既に”プリースト”は主要職業として存在しています。
不思議ですね…。

何かご存知の方はぜひご教示ください。

現実の世界での旅や戦いをする宗教者にはどんな人がいるでしょうか。
ヨーロッパのキリスト教徒が中東に攻め入った十字軍では、宗教的なお題目があって修道会も参加していたというか、そのための修道会が作られたりしていました。メイスやモーニングスターなんかを持ってる僧侶のイメージはこのあたりから来ているのもあるかもしれません。教義によるとかではなく、単に当時有効で流行した武器ってたってだけですが。
大航海時代になると、キリスト教宣教師が世界中に散らばり布教活動を行いました。
日本の修験者、インドの苦行僧サドゥーなど、自らの修行のために旅する者もいます。
中世日本の寺院は僧兵とよばれる武装した僧による武力を持っていました。旅をした僧兵としては弁慶がいます。主君の牛若丸も天狗装束は修験道装束から来ています。
近代現代の戦争では、多くの国で従軍牧師・従軍聖職者の人たちが兵士の心のケアを行っています。

ゲームによっては回復係に宗教色を持たせていない作品もあります。治療者という意味の”ヒーラー”や、白魔術師など。これだとゲーム上の役割は似ていても、キャラクター性やゲームの世界観は違ってきますね。

プリンセスとパンドラの箱