人類滅亡後の生態の進化を予想したSF読み物「アフターマン」（著：ドゥーガル・ディクソン）より、グロースです。
グロースはレイヨウ（アンテロープ）の子孫ですが、まずレイヨウ自体が日本にはいないのであまり一般的ではありません。レイヨウというのはウシの仲間の１グループで、有名な動物ではインパラやヌーなどが含まれます。ヌーはウシっぽいですがインパラはどっちかっていうとシカに似ています。
グロースは寒冷な山岳地帯に適応して進化した未来のアンテロープ類です。現生の生物で、生態的地位が近いものを挙げるならカモシカでしょう。
ところで、カモシカもシカと名前に入っていますがシカの仲間ではなくウシの仲間です。漢字でカモシカを羚羊とも書きますが、レイヨウも羚羊と書きます。そしてカモシカはレイヨウではありません。なんだかわけがわからなくなってきましたが、まあ細かいことはどうでもいいでしょう。ポイントは昔の人は見た目の姿や生態で名前をつけましたが、それは遺伝的な分類とは関係がないということです。別種の生物でも同じ環境に適応して進化すると似た形態になることがあるからです。これを収斂進化と言います。

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