インキュバスは睡眠中の女性を襲い、妊娠させてしまう男性悪魔です。男性を襲う女性悪魔サキュバスと合わせ「夢魔」と呼ばれ、夢の中に現れるとされていますが、変装したりコウモリに変身したりと実体を持って現れたという話もあります。

キリスト教の悪魔と書かれている場合もありますが、聖書に記載があるわけでもなく、語源もラテン語で「のしかかるもの」であるので、どちらかというとキリスト教に由来する悪魔というよりも、厳格なキリスト教価値観に支配されていた中世ヨーロッパにおける通俗的な存在でしょう。当時は性的な事が悪として抑圧されていた一方、実際にはあってはならない妊娠がよくあり、悪魔に罪をなすりつけていたわけです。

そんなわけで実際にはインキュバスの子はただの人間なわけですが、ファンタジーの世界ではそうとも限りません。半魔として超常の力を発揮する場合もあり、アーサー王に仕えた魔術師マーリンはインキュバスと高い身分の娘の間に生まれたとされています。他にはインキュバスの子はインキュバス、自種族の繁殖に人間を利用するだけだという説もあります。

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